1月26日、27日は九州山口有機農業の祭典で長崎にいきます。研修スタッフもいい勉強の機会ですので参加してもらいます。今年は、1分科会の座長を頼まれました。「種の未来」と題した有機の種苗をテーマにした分科会です。欧米では有機の種苗が一般に出回っているそうですが、実は日本では有機の種はほとんど販売されていません。まだまだ、有機の市場は小さいので、種苗会社としてはコストをかけて有機の種苗を開発育成するところに至っていないのです。それどころか、慣行栽培の種さえ国産はほとんど無くなってきているのが現状です。
種取りは自然交配するのを避けるため、周りの影響がないように離島で行ったり、周りの農家や民家に保証金を払って栽培制限をしたりと大変なのです。
人件費も、土地のコストも低く、周りの影響も少ない海外へとどんどんシフトして,今使われる野菜の種は8〜9割外国産になってしまいました。
もう一つは品種改良技術でF1(エフワン)種と言って、人工交配で一代だけ収量の安定と形状も揃った物ができる物に主要野菜は占められています.これらは播いても次世代ではうまくできません、そもそも発芽しないように処理されている物もあります。こうなると必然的に開発力、資金力のある大手種苗会社の独占体制が進みます。
そんなわけで、地域独特の地方野菜はどんどん消えていっています。これこそ絶滅危惧種です。私たち有機農業者は自家採取や種苗交換をとうしてそれらの流れに抗しています.それぞれの地域に伝わる土地や気候にあった伝統野菜が無くなってしまっては、食べる豊かさそのものが失われてしまいます。
「こんな時代に種の未来をどう切り開こうか」という話をする分科会です。
************************
開催日時 2013年1月26(土)〜27日(日)
開催場所 雲仙市ハマユリックスホール TEL(0957)88−3305
小浜伊勢屋旅館(懇親会) TEL(0957)74−2121
参加費 全日程参加費 14000円 参加費+懇親会費 6000円 参加費6000円
1日目 1月26日(土)
12:00〜 受付 ( ハマユリックスホール )
13:00〜16:00 開会式、基調講演
講師 大野和明 氏 テーマ「農業と環境」
講師 田坂興亜 氏 テーマ「日本とアジアにおける有機農業」
16:00〜17:30 分科会
①流通 ②種の未来 ③環境と農業
④消費者から見た有機農業 ⑤有機農業と地域づくり
2日目 1月27日(日)
9:00〜 3分間スピーチ(伊勢屋旅館)
9:30〜11:00 分科会報告ならびに祭典についてのディスカッション
11:30 閉会式
13:00〜15:00 現地見学会(希望者のみ)
A、雲仙有機ほ場見学
B、エタリ工場と長有研ほ場見学
C、小浜町散策(足場、蒸釜)