福島事故の真実 福島原発訴訟団の武藤さんに、皆さんのサポートを受けて野菜を送るようになって5年が経ちました。3.11から6年目を迎えようとしてます。損害賠償としての保証は様々に示されてきましたが、未だにあの原発事故の刑事責任をとった人は誰もいません。

検察審査会は起訴相当と
 最初、東電幹部3人を対象とした刑事告訴に対して、福島地検は東京地検に事件を移送し、なんとその1時間後に東京地検は「全員不起訴」の決定を行いました(2013年9月)。それを不服として告訴団より検察審査会に申し立てがなされました。もと民主党代表の小沢一郎氏の政治献金問題の時に、初めて私たちが耳にしたあの検察審査会です。無作為に選ばれた市民によって構成され、不起訴が正当かどうかを審査する制度です。その検察審査会では「起訴相当」の判断が出され、東京地検に差し戻されましたが、再度2015年1月東京地検は「不起訴」の決定をしました。それを受けて2度目の検察審査会が開かれ2015年7月、「強制起訴」の決定がなされたのでした。検察審査会には11人の審査員がいてその8人以上が賛成しなければ起訴の決定は出来ない中、2度にわたって「起訴して裁判で審理すること」という判断がなされたのです。

東電幹部は津波対策をする必要があることを知っていた文書がでてきた
 それから、一年半が経とうとしていますが、なかなか事態は進展しそうにありません。しかし、この裁判はとても重要な裁判であることにかわりはありません。
検察審査会の審議の過程で、審査員が起訴相当の根拠とした重要な文書が見つかっています。それは、2007年12月の時点で東電が政府の地震調査研究推進本部による「三陸沖から房総等沖にかけての地震活動の長期評価について」をとりいれる方針を決め、2009年には古い原発についても新指針に照らして、安全評価を実施する計画であったということが書かれた文書です。一連の文書では,津波対策工事も完了させる方針を東電は決めていながら、その後方針を転換、意図的に引き延ばしてきたことなどが読み取れます。
 そうであれば、福島原発の津波による事故は、東電がこれまで主張してきたような想定外ではなかったことになります。
武藤さん達と手をつなぎ野菜を送り続けましょう
裁判の中でこれらの事実が公にされ、東電の責任が明らかにされ、それに沿って処分がきまって初めて、福島原発事故を繰り返さない、くさびになるでしょう。
 その為にも、今後も百草園の野菜を送りながら、武藤さん達の戦いを支援し続けていきましょう。