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百姓百品の便り
謹賀新年2024
新年早々、大きな災害のニュースが飛び込んできました。熊本地震を体が覚えていて、恐怖がよみがえります。
こんな時にFacebookで新年の挨拶をするのも躊躇われたのですが、74歳を迎える私たちの新しい年への決意でもありますので、アップすることにしました。
お読みください。
百草園
間 司 澄子 -
百姓百品の便り
卵の事情・・・卵の汚れをせっせと落としながら、書きたくなったこと
百草園では平飼いの自然卵養鶏で、産卵箱にワラや籾殻をしいたところに産卵するようなっています。産卵箱は5〜6カ所は用意してあるのですが、鳥たちはある箇所にかたまって何羽も折り重なるようにして産む習性がありますので、破卵したりして、汚れる卵がどうしても出てしまいます。
普通のケージ養鶏では、向きを変えられない狭い空間で、産み落とした卵はそのままケージに沿って転げ出る様になっていますので、汚れも少なく、その上、全個数の洗卵と次亜塩素酸消毒が義務づけられています。
私たちは洗卵すると、卵の表面の防護膜がなくなってしまうのと、次亜塩素酸など使いたくないので、汚れはまず乾いたままふきとるか、ぬれたスポンジでふきとり、それでも落ちないような物は手洗いで流水中で洗っています。 -
百姓百品の便り
輸出企業は消費税の還付金もらってる??
9月分の引き落としの手続きをすることを、インボイス対応の請求書の作成に夢中になっていたら、忘れていました。本来の引き落とし日である15日の日曜日に突如、「もしや引き落としの手続きをしていないかも」と頭がまわりだし、パソコンの前に走って調べたら、やっぱりやっていなかった。
最近、事務のボカミスが目立って、嫌になります。「インボイス対応の請求書、かんぺきにつくったぜ」と達成感もりもりだったのですが、今は落ち込んでいます。「事務量を増やす、インボイスめ!!」です。
インボイスは、小さな事業者からも消費税をとるためということのようですが、
日本の大手企業を中心に構成された経団連(日本経済団体連合会)と国は、消費税を推奨し「もっと消費税率を上げれば良い」と考えているという記事を目にしました。その理由の一つに、輸出をする企業は還付金をもらえるからだそうです。
・1位 トヨタ自動車:還付金額 6003 億円
・2位 本田技研工業:還付金額 1795 億円
・3位 日産自動車:還付金額 1518 億円
・4位 マツダ:還付金額1042 億円
・5位 デンソー:還付金額 918 億円
私はお金にうといのでよく分かりませんが、確かトヨタは海外に子会社を作るという方法で、国内の法人税も払っていませんでしたよね。法人税を納めないだけでなく、私たちからあつめた消費税をつかって還付金をうけていた???つまり、国内分を含め、消費税もまったく払っていないということでしょう。
これって、どういうこと???
だれか、税金に詳しい人に教えて欲しい!! -
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ニホンミツバチのハチミツが採れました
ニホンミツバチが我が家の木の壁に毎年巣をつくって10年以上。壁に巣を作っても蜜がとれないので、つまらないと、箱型の巣箱をおきました。毎年分峰した集団がやってきて箱にははいるのですが、スズメバチが襲撃したり、すむしにやられたりして、最後は蜂がいなくなってしまって、蜜がとれなかったのですが、とうとう今年、蜜がとれました。それも瓶に2本も。
嬉しいですね。どうやって食べよう!!!
残った巣屑といわれるものも、蜜蝋とか色々つかえるとはいわれているけど、まだどうしていいか分からず、そこらへんにポイしてある。
一歩づつ一歩づつ。
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インボイスと電子帳簿保存法が攻めてくる
インボイスとか、聞いたことがありますか?これって、とても面倒なんです。
国税局に「私は適用税率や消費税額を正確に伝えます」と登録をして、インボイス番号をもらいます。
そしてこの番号を請求書に印刷をしておくと、仕入れた人はその消費税を「仕入税額控除」として消費税を払うときに引くことができます。例えば、1000円+消費税100円で販売すると、預かった100円の消費税は、4月に税務署に納めないといけま
せん。この品物を800円+消費税80円で仕入れていたら、100円から80円を引いた20円を税務署に納めればいいのです。ところが、インボイス番号がない人から仕入れたら、80円を引くことができないので、100円をそのまま納めることになります。つまり、損なのです。
こんな風に、消費税を引くことができない納入業者と取引をすると損なので、インボイス番号を持たない納入業者とは取引をしたくなくなります。だからしかたなく、みんなインボイス登録をします。つまり、半強制の制度です。
私の参加していた英語ガイドボランティア団体も年間収支は100万円に満たないのでこれまで免税事業者でしたが、インボイス登録をしないと大きな観光会社からの依頼がこなくなるということで、インボイス登録しました。だから、今年度から数万でしょうが、消費税も払います。
インボイス登録をすると電子帳簿保存法もついてくる
今までは免税事業者であっても、インボイス登録をしたら、消費税を払わないといけません。
これまで消費税は払っているから、これまでと変わらないと思っていると・・・「電子帳簿保存法」というのができて、これまでのように紙ではなく、電子帳簿で保存しなさいと言っています。それも発行日等がパソコン上で改ざんできないように「電子スタンプ」というものを押さないといけないそうです。違反すると罰金です。
これまでも事務処理が膨大化しているのに、これ以上対応できません。頭がパニックです。
それでなくても、日本の中小企業を支えているのは、高齢者。これを機にやめる人がでると思いますよ。
デジタルネイティブ世代が、デジタルに弱い私たちの世代が死に絶えるのを待っていると思いたくなります。
※デジタルネイティブ世代って、生まれた時からパソコンやインターネットがあった世代のことです。インボイスで書きたいことは山ほどあるけど、説明が難しいです。
国税局が来たときに、全ての電子書類をすぐに検索できるように、パソコンの中に検索機能を作っておかないといけないのだそうです。
全てが国税局の立場のような気がします。私達に何かいいことがある制度なんでしょうか???
トヨタは5年間も法人税を払っていなかったと聞いています。利益は過去最高なのに。税金の取り方が間違っていないですか??? -
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野菜を貯蔵するための納屋を改装
季節の野菜しか作らない、私達。
みなさんに十分に届けるために、無駄になることはあるけれど、余裕を持った量を作付けします。青菜類がのこっても、鶏の緑肥として使えるからいいやと思っています。
鶏は、もともと緑の草が大好き。だから、十分に与えないとストレスが溜まって、他の鳥をつついたりしますから、これはとても大切な餌なのです。根菜やカボチャは、収穫した後保存しながら出荷することになります。
この保存スペースが大切なのですが、今までそれに使っていた納屋が老朽化しすぎたので、改装をすることにしました。依頼したのは、若くして竹林の整備や竹墨を作る会社「竹組」の社長の園田さん。
古民家のリノベーションも手がけている、個性的な若者です。
この納屋は本当に古くて、柱も腐っているところがあるし、外壁もボロボロなのを、補強しながら、壁は色々な端材を使ってセンス良く仕上げてくれました。
規格ものの材料を組み立てていく普通の工法と違って、こんな工夫に満ちたリノベーションは楽しいですね。
大工の棟梁達も楽しそうです。
最近の建築は、工場でカットされた素材を組み立てる方法が主流で、大工さんの腕の見せ場がないと、嘆いていました。
だから、こんな古い家をリノベーションできる大工さんも減って、仕事を依頼する人を探すのもむつかしいのです。これで、野菜の保存が今以上にきちんとできればいいのですが。
来年度の目標は、大きな保冷庫を入れることです。
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強力寒波の後遺症が深刻です
一月末の強い寒波、熊本市の最低気温がマイナス6度とか7度とかでしたが、うちの周りだとそれから3度くらいは低くなるのが常なので、露地の畑ではマイナス10度近い超低温だったと思います。それから、一週間以上たちますが、凍った部分の痛みが進行して、被害は大きくなっています。
キャベツは雨で残った水分が中で凍って、外から見ても分からないので切って出しました。ブロッコリーは霜よけもしていたのですが、寒波の時の台風みたいな強風で吹き飛んで、ちょうど出し頃になっていた300株以上がだめになりました。切り落として脇目が育つまで待つことにします。寒さに弱いカリフラワーはもちろん全滅でした。白菜は頭の部分が深いところまで凍ってて痛んでいるので、そこをむいていくと半分以下くらいの小ささになってしまいます。いつもは寒さではやられることのない小松菜、熊本京菜、こぶ高菜なども外葉や芯の若葉が傷んだりしんなりしてしまったりです。
ほうれん草と大根、ねぎだけはそんな中でも大丈夫です。すごいですね。
そんなわけで、しばらくセットが貧弱になりそうです。そうでなくてもこれから端境期に入っていくので心配なのですが・・・。せめて後蒔きでまだ若い熊本京菜とコブタカナが回復してくればと願っています。
ただ寒いほど冬野菜はおいしくなる感じで、何を食べてもおいしい。
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身近な多様性 というやつ
阿蘇市には21カ国の人々が580人生活しているし、来年には台湾からSTMCも進出してくるので、外国人との共生のための協議会を作ると新聞に書いてありました。。そう、多様性の共存です。
それに関連して、家庭内多様性について、ちょっと書いてみます。
<エピソード1>
夫婦間の多様性を考えたのは、司が私に「自分の好きな物ばかり作って」と言ったことに始まります。
その時「はー??」と思ったのですよ。司が痔にならないように、発酵玄米を炊いているし、司はオナラが臭いので納豆を毎日朝食につけているし、豆腐屋さんの息子なので、豆腐大好きということで、豆腐を切らさないように気をつけているし。。。
私には玄米は強すぎるし、納豆1パックは多すぎる、冷奴は嫌いだから食べないなど、ひたすら司に気を遣っているのにですよ・・・・
「人の気遣いのわからんやつだ」とプチッとキレたのでした。
そこで考えたのですが、司は苦いのが好き、だからビールも大好き。わたしは苦いのは嫌い、だからビール嫌い。司は酸っぱいのが嫌い。私は酸っぱい方がいい。だからカレーにすら酸っぱ味をつける。などなど。司と私は、全く違う味覚を持っているに違いないと気がついたのでした。
<エピソード2>
ある日、司が封筒に宛名を書いているのをチラ見したら、赤いボールペンで書いているので「赤よ、見えてる??」と教えました。そう、色弱なんです。
その時気がついたのは、司と私は見えている世界の色がとっても違っているらしいということです。百草園で働くオビロさんはナイジェリア出身。アフリカ出身の人は遠くを見る視力がすごいと言いますから、彼と私も見えている世界は違うのでしょう。
オックスフォード英語辞典によると、多様性(diversity)は、「互いに非常に異なる多くの人や物の集まり」と定義されていて、食の多様性、美しさの多様性も多様性の範疇らしいです。
ということは、司と私は食と美という点で全く異なる人と思った方がいいかも。
こうやって見ると、夫婦ですら多様性の共存は難しいそう。「ましてや外国人は・・」って言いそうになるのですが、見方を変えれば、多様性は、自分も個性を持った他と違うものとして見ることができるという視点らしいです。
そうなると、多様性で救われる個性的私もいるっていうことだよね。だったら多様性大事。だから「自分の好きな物ばかり作って」と私に文句を言った司に、この文で倍返しをしたから、許してやるかな・・・。
追伸:多様性って、好きな言葉だけど、本当はとっても難しいんだろうなって感じます。熊本市が、市民条例を変えようとしたことにも、選挙権を熊本在住の外国人に与えようとしたと勘違いして、多数の反対意見が届いたらしいです。でも、多様性の視点は自分の個性に返ってくると思えば、優しくなれるような気がして、司に託けて今回は書きました。
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鳥インフル発生 ・・・石灰の値段、心配?・・・
今年は鳥インフルエンザが大変な事になりそうです。いつもの年より早く、発生事例が出ています。家畜保健所から韓国で発生したというファックスが10月25日に入って、「いよいよ渡り鳥の季節が始まったな、先ず韓国で発生するから、いつごろ日本でるかな?」と思っていたら、11月4日までには、岡山、北海道、香川、茨木と5例目の発生のファックスが立て続けに入りました。即、農場の鶏全部が殺処分ということになりますので、合わせるとすでに183万羽が殺処分されたことになります。200万羽もすぐに超えるのではないかという勢いです。昨日は出水の鶴の死骸からも検出されたと熊日に出ていましたし、知事も警戒しているとの記事もありました。
今後は夏にも出る?
ファックスによるとヨーロッパでは夏にも発生していた事例もあり、コロナみたいにいつでも出るようになってきているのかもしれません。予防のための消毒は石灰
例年発生が近くで出て、心配になってくる時期には、県の方から消毒用石灰の配布の知らせがあるのですが、今年はそれより早く拡がりそうな勢いです。支給を待っていられないと思い、自分で農協に20袋ほど注文しました。なんでもかんでも高いから嫌だなー
肥料、飼料は輸入に頼っているケースが多いので、円安のせいですごい勢いで値上がりしていますよね。石灰はたぶん国内産でまかなっていると思いますので、そんな値上げはしてないだろうと希望的観測で思うのですが・・。いくらで来るかなあと、いつにない余計な心配までしてしまいます。※最近はウイルスがとても強いですね。抗生物質を使いすぎたツケがきていると思いま
すが。太らせるために餌に混ぜてやるなんて、絶対間違い!!!! -
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ホリエモンと有機農業の若手の旗手が遺伝子組み換えについて話していた
「農業はもっと減ってもいい 大淘汰時代の小さくて強い農業とは?」というとても刺激的なタイトルの本を出版した久松達央さんが、ホリエモンと対談をしている動画が配信されているので、見てみました。久松達央さんは、1998年に新規就農として有機農業を始めて24年、「小さくて強い農業」がキャッチフレーズの有機農業新世代で、新規就農者の旗手的な存在と私は思っています。その方針に頷けるかどうは別として。
農業人口が、団塊の世代が雪崩を打ったようにいなくなっていく10年後のことをXデーと表現するなど、農業を取り巻く現状分析では「ふむふむ」と同意することもあるのに、対談の最後の方での遺伝子組み換えに関する発言では、びっくりなんですが、それはnoteで書くので読んでください。
まず初めにXデーについて「なぜ 農業人口がどうしようもないくらい減るのか」ということへの一つの意見として、「自分も含めて人は変われないと思っている。だから経営は人が入れ替わることによってのみ時代に対応できると考えている。個人経営が多い農業はプレイヤーが変わってこなかったから、時代に対応できていない。それは農業だけではなく、個人経営の特徴なんだけど、所有と経営が分離されていないんだよね。そこを分離して次の人に引き渡していくということをしないと、せっかく成り立っている農業も継承できないで終わるだろう」なんていう部分は、周りの廃業や耕作放棄地の拡大の現状とオーバーラップして、我が事のように興味深かった。
遺伝子組み換えは自然界の変異と同じ???でもこのトークの最後がいただけません。そのパートのタイトルは「化学に対する忌避感が悲劇を招く」。
そのパートで、ホリエモンが農薬や化学肥料への彼の見解、「昔はサリドマイドとかあったからそう思う人がいることも分かるんだけど、このことは今は100%解決されているから」等の持論をひとしきり言った後に、「遺伝子組み換えっていうのは、自然界でも起きているんですよ。『いやそんなことあるわけがない』(笑)という人がいるけど、なかったら品種改良できないでしょう。進化もできないでしょう。それが、わかんないんだよね。」と笑いながらたたみかけると、有機農家の久松さんも「それが、わかんないんだよね〜」と相槌を打っていました。
noteに続く。。。。。