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百姓百品の便り
季節の野菜、主役交代!!
※ 写真・白菜の間引き菜を研修生と収穫しているところです季節の野菜、主役交代!!
8月末にまいた白菜と大根の間引き菜が出始めました。それにつれて、夏の間セットの青物の中心でがんばっていたモロヘイヤとエンツァイ(えんさい)に花が咲き種ができ始めました。エンツァイの花は、白い朝顔似の大きな花です。これらは、自家採種分を残してかた付けに入り、セットの青物主役交代です。
間引き菜の味は格別
大根にしろ白菜にしろ、何度かにわたりずらして作付けます。当然そのたびに間引き菜はでるわけですが、間引き菜のありがたさについていえば、最初のものは格別です。ずーっと青物の少ないのを我慢して待ち続け、ようやく出てきた間引き菜は香りも味も特別に感じます。最近は何でもかんでも、旬を無視して一年中市場に出回っているのがふつうなので、それを気にもせず使っている人は、秋口に出る間引き菜を初めて食べる喜びなどとは無縁かもしれません。
そんな間引き菜類もあとの方になってくると、いろんな種類のものがダブってきてもてあましになってしまいます。それらは、今度は鶏たちの緑餌としてふんだんに与えられ、夏の間、堅い雑草しかもらえなかった鶏たちは大喜びです。緑のものを多く食べるにつれ卵の味も黄身の色もだんだん濃くなってきます。うるち米から餅米、そして飼料米の稲刈りが始まるよ
田んぼの方も9月で水を切って一斉に熟れ始め、黄金色に変わっていきます。我が家では例年10日が過ぎる頃から稲刈りに入ります。まずうるち米を刈って、続いてもち米と楽しみのどぶろく用の酒米を刈り、そのあと、今度は鶏用の飼料米を刈り終わる頃には10月も終わっていることでしょう。その傍ら、秋野菜の作付け、管理。収穫、田んぼのあとは小麦と菜種の作付け準備と目の回るような忙しい日々が始まります。でも、あえぎあえぎ働いていた、夏と違い、この時期は体を動かすのも快適です。よくしたもので、だんだん雑草の勢いも落ちてきて、おかげで、夏には考えられなかったような仕事のはかどりで、何とか帳尻が合っていくものです。
実りの秋を皆さんに速く届けられればと思います。
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9月の露地野菜、苦労してます
9月は露地野菜栽培の中で4月と並んで、一番品揃えが大変な時です。
春から作付けた夏野菜が一通り終わってしまい、秋冬の野菜の作付けに転換する時期がこの9月で、端境期(はざかいき)といいます。収穫でできる品目が少なくなってしまう時期のことです。この時期の畑仕事は、春野菜の残滓の片づけからはじまり、堆肥や肥料まき、土手草の刈り込み、そして、作付けの耕うんと進んで、ようやく、苗ものの植え付けや直まき栽培の野菜の播種(はしゅ)が始まります。
でも、秋作のための種まきは、まだ残る暑さと乾燥のためにうまく発芽することができず、まき直しになることもしばしばです。今年は、人参の1回目はほぼ失敗で、2度目にまいたものが、ようやく発芽しかかっています。これが出そろわないときは、3回目をまかねばなりませんが、9月始めまでにはまき終わらないと、成長の途中で冬の寒さにぶつかってしまい、間に合わなくなってしまいます。苗床で、苗として準備するキャベツ類やレタス類も、暑さのために出る立ち枯れなどの病気のために、まき直しやまき足しを繰り返すことになります。近所の農家にいわせると、「消毒済みの購入床土や立ち枯れ対策の農薬を使えば安心タイ。」といいますが、有機栽培ではそんなものは使いません。残暑を読みながらの仕事で、毎年とても苦労するところです。
野菜セットにはサツマイモなども早堀で対応しますので、小さな芋がはいるかもしれません。
10月半ばまで待ってください10月半ばくらいになると、えだまめ、間引き菜などもではじめて、少し賑やかになると思います。それまで、単調なセットになりますが、消費者の方々も食べ方を工夫したりしながらつきあっていただけると有り難いです。よろしくお願いします。 間 司(はざまつかさ
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放射性物質の除去って。。。
放射能の汚染の除去の事が書いてあると、食い入るように読むのですが、結局、除去といっても、放射性物質を隔離して、人間の体内に入ることを防ぎ、内部被爆を起こさないようにするための対策のようです。決して放射性物質それ自身が分解され、自然界から今すぐなくなることではない。。。
だから、対策は
・汚染された土や、作物を除去して、どこかに隔離する。
・汚染された土の中に放射制物質を吸着する作用のある、バーキュライトなどの土壌改良剤をいれ、分散と浸透を防いたうえで、土を除去してどこかに隔離する。
・ナタネなどの作物に吸収させて、それを収穫し放射制物質を集めて隔離する。などのように、「隔離」という言葉が最後はつきます。
つまり、除去とは「福島原発がバラまいてしまった放射性物質をどれだけ回収でき、隔離するか」という事につきるようだと、あらためてつきつけられて、愕然としています。
これまで公害をおこし問題とされてきた水銀などの科学汚染物質と違って、それ自身の半減期以外に自然界がもつ浄化能力はないようです。そんな物質が体内に入ってしまった場合は、被害を最小に押さえ、早く対外に出すために、
・体内に入ったものは、放射線が作ると言われるフリーラジカルの影響が少なくなるように、抗酸化の力のある食べ物を食べる。
・セシウムなどを固定する性質のある物で、腸から体内に吸収されないものを食べ、対外に排出させる。
などの方法が紹介されはじめています。こんなコントロール不可能なものを生産し続ける原発エネルギーは必要なのでしょうか。
他の方法でエネルギーをつくる知恵を予算化してほしいと心から思います。それから気になる事がもう一つ。人間の体内被爆を最小限にすることは緊急課題ですが、他の生き物の体内被爆はどうなんでしょう?
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小麦粉と小水力発電
百草園の小麦粉は水車小屋で挽いています。
強力粉、中力粉、薄力粉の3種類。
もちろん、無農薬の有機栽培で、バリバリの国産小麦粉というか、百草園で栽培した小麦を使った小麦粉です。水車小屋は植木町を横切って流れる合志川の水を製粉小屋に引き入れ、その流れの勢いでタービンを回し、水車の動力にしています。
最近、再生可能な自然エネルギーの一つとして小水力発電が脚光を浴びてきていますが、ここには40年も前からそれがあったのですよ。びっくりです。でも、
「九州電力が電気はいらないと言ってきたので、それから電気はおこさないで、水車だけを回すようになった。」と水車小屋のお母さん。全ての自然エネルギーを買い取る事がやっと法律で決まりましたが、実は、昔から地域や会社で作られる電気があったのに、それが買い取られる仕組みがなかっただけなんですね。
「水車を動かすために、水利権を何十年も払い続けたのに、水車が止まると水利権がなくなる。」と、小麦を作る百姓は少なくなったというにの、今でも村でただ一件だけ粉を挽き続けてくれています。
粉を挽くのに電気代がかからんから、少しきたなか小麦でも時間をかけて磨いて粉にできるとよ。電気でしている所は、お金がかかるから、小麦を選ばないとやっていけないもの。」と、雨続きで出来の悪かった今年の小麦を前にして、嬉しそうに話してくれました。
※小麦を磨く………小麦同士の摩擦で、小麦についている汚れをとってやること。そうすることで、小麦はきれいな小麦になり粒も揃い、良い粉ができます。
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田んぼのクモの巣はきれいです
7月30日の「田んぼのいきもの調査」の時、指導に来ていただいた甲守先生がほめてくださったのは、田んぼにいるクモの種類と数の多さでした。でも私達の経験からすると、7月はまだまだクモの少ない時期です。8月、9月。早朝に田んぼを見回ると、朝露に濡れたクモの巣が田んぼ全面を覆っているのを見る事ができます。キラキラと朝日に輝いて、それはそれは美しく、クモ達が田んぼを守ってくれていると感じる瞬間です。
今年は雨が多くて、クモは田の表面にクモの巣をはることができないようで、やっと稲穂に隠れて巣を張っている写真が撮れました。
田んぼに住む生き物のうち、農薬に一番弱いといわれるクモ。そのクモがいるということは、クモの餌になる小さな虫達がたくさんいるということですよね。そして、その小さな虫達が餌にするもっと小さな生き物がいて。。。。
田んぼでお米をつくるのは人間の力だけではなく、そこに住む多様な生き物達の協力があってこそのもの。
今年観察できたサワガニ、小さなえび類、ヤゴ、ガムシ、とんぼ、チョウチョ、バッタ、カエル、くも等30数種の生き物達、がんばれ!
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再生可能なエネルギーで日本が満たされる日をイメージして
映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の監督・鎌仲ひとみさんのトークを聞いて思ったこと。
■エネルギーが選べる社会の先に
20年後か50年後、もしくは100年後。原発ではなく、再生可能なエネルギーで日本が満たされる日があるはずです。
大地を、いつなくなるかも分からない放射能で汚染され、このままで良いはずがありません。
「原子力の平和利用は必要で、それがなければ日本の産業はなりたたない」、「危険はない」という根拠のないキャンペーンに対抗するには、「嫌なものは嫌」という意思と、正しい情報を多くの人が知る事が必要のようです。情報が公開され、電気と送電線の独占がくずれ、1人ひとりが原子力が必要かどうかを判断し、自分が購入する電気の種類を選択できるようになった時、再生可能なエネルギーで日本が満たされる日がくる可能性があることを知りました。
■未来をイメージできる力を
今、Face bookを作ったザッカーバークの本を読んでいますが、彼は、ソーシャルネットワークが広がり、個人の情報と意見を「自分の責任で発信する」ことで、世界と個人の関係が変わり、情報の透明性が可能になることを信じてというか、イメージできていて、どんな批判にもFace bookの立場を譲らなかったわけです。
確かに、世界の人々が直接ネットを通じてつながることで何かがくずれつつあります。ザッカーバークの、今ある壁の正体を感じ、それを壊した未来に何があるのかイメージできる力が、新しいものを作るんだなと思っていた矢先の鎌仲さんのトークでした。
私も原発を拒否することで、来るはずの未来をイメージする力が欲しいです。
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8/27 シンポジューム「大震災・原発事故をのり超える有機農業」に参加します
大地が汚染され、元に戻るまでどれほどの時間が必要なのか、本当の情報が届いていないと思うもどかしさ。
だから「これまでに培ってきた有機農業の成果を脱原発社会へ向ってどのように活かしていくのか、みんなで話し合いましょう。」という日本有機農業研究会の呼びかけを読んだ時、どうしても参加したいと心がうずき、司と二人で東京に行くことにしました。2日間だけ、農作業をお休みします。■於:日本青年館(東京都新宿区
■日 時:2011年8月27日(土) シンポジウム10:00~17:00
記念懇親会18:00~20:30
■プログラム
シンポジウム 3階 国際ホール
テーマ (1)有機農業の生産現場と放射能汚染 10:20~12:45
司会 相原 成行さん(日有研理事・相原農場)
報告 野中 昌法さん(新潟大学農学部教授)
大内 信一さん(福島県・二本松有機農業研究会)
魚住 道郎さん(日有研副理事長・魚住農園)
舘野 廣幸さん (日有研理事・有機稲作)テーマ (2)放射能汚染と食生活 13:30~14:50
司会 安田 節子さん(日有研理事・食政策センター・ビジョン21)
報告 大石 光伸さん(常総生協副理事長)
若島 礼子さん(安全な食べ物をつくって食べる会)テーマ (3)有機農業がめざす脱原発と自給・共生の社会 15:00~17:00
司会 並木 芳雄さん(日有研理事・並木農園)
報告 槌田 劭さん(京都・使い捨て時代を考える会)
星 寛治さん(山形県高畠町・有機農家)記念懇親会 4階 富士の間 18:00~20:30 .
■交 通:・JR中央線・総武線 千駄ヶ谷駅・信濃町駅下車 徒歩9分
・東京メトロ銀座線 外苑前駅下車 徒歩7分
・都営大江戸線 国立競技場駅下車 徒歩7分
■参加費:・シンポジウム;1500円(定員300名) ・懇親会;6000円
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土地もなく、家もなく農業を始めたよ
百草園で受け入れた新規就農者達が、まわりで有機農業を始めていて、約10町歩を耕作しているとアクセスのページに書いています。若い彼らの写真も貼ってありますからみてください。実は、私達も30年前は新規就農者で、村とのつながりもなく、土地ももたず、家もなく、農業をはじめました。若いということは凄いことで、この年でぶつかったら折れてしまうに違いない大変さも、記憶の底に沈んでしまい、時折、むしろ笑い話のように湧きだしてきます。
そんな記憶の一つによれば、ぶっちゃけた話、村にとって私達は「よそ者」。それも、村で誰もやっていない有機農業をやるというのですから、波風があって当たり前だったはず。でも、何があったかすら忘れてしまっているのですが、最近、百草園のまわりを若い農業希望者が耕作している姿を見て、「彼らがやってくれなかったら、ここら辺は耕作放棄地になっているもんね。」と声をかけてくれました。それが嬉しくてたまりません。きっと、最近は私達も村の役にたっていると認めてもらったんですよね。
効率や能率という言葉と、自然のリズムが相手の農業は相性が悪くて、効率一辺倒の世の中で農業の元気がなくなっています。農業者の平均年齢は65歳を超え、耕作放棄地も増えはじめていて、なんとかしないといけないのです。10年後には、農業者の平均年齢が75才になることがないよう、若い彼らとあと一踏ん張りしなくては!
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研修生もダウンの暑さのなかでも育つ野菜は??
今日も昼の最高気温は36℃で、研修生が暑さでダウンしました。
野菜にも熊本の夏は暑すぎて、秋まで一休みしたくなる季節のようです。
だからセットには、特に暑さに強い野菜達が入ります。
水前寺菜、エゴマ、モロヘイヤ、甘長、ゴーヤ、オクラ等。
この野菜達は強い日差しの中で育ちつづけ、モロヘイヤや水前寺菜、オクラのネバネバ、ゴーヤの苦み、甘長やエゴマの辛さ、それが私達の夏の疲れを吹っ飛ばしてくれるんですね。
届くのを楽しみに待っていてください。
写真はエゴマです。一見雑草にしか見えないでしょう。それが乳母日傘ではない野菜の強さの証明かも。
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見つけよう!田んぼの生き物 作ってみよう標本!
田んぼの生き物観察の指導 と 講演
こうもりたかし
甲守 崇 氏(熊本生物研究会副会長)
田んぼでの生き物観察のあと、身近な自然とのふれあい方や観察の仕方、標本の作り方などのお話をしてくださいます。
「夏休みに海にいって、そこで触れ合った生き物の標本を、一つでも二つでもいいんです、自分で標本を作れば、そこに感動があります。子ども達にそんな感動を知って欲しい。」
という先生のお話を聞けば、この夏休みが楽しくなること間違いなし!!●日時:7月30日(土) 9時半集合〜昼食交流会〜2時解散
●集合: 今藤公民館(百草園にくる途中の公民館 今藤のお宮の中にあります)
●田んぼ:今年は昨年までの田んぼではなく、お宮の近くの田んぼになります
●参加費:千草会会員 無料
他 300円/1人
●用意するもの
・おむすびとお漬け物は百草園で用意しますから、おかずだけもってきてください
・水筒
・田んぼで汚れてもいい服装でおいでください。
・着替え 靴 タオル
・目の小さな虫網(百草園にもいくつかあります)
・捕まえた生き物を持って返りたい人は入れ物※車で10分もかからないで植木温泉があります。帰りには温泉もいいですよ。
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●参加希望の方は千草会か百草園にご連絡ください。
千草会・藤永よしき 090-7985-3232
百草園・TEL FAX/ 096–273-1917
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