踏み込み温床って知ってますか 

苗のしたで稲わらや野草が発酵して、ホカホカです。

稲わらなどを発酵させると、とても気持ちのいい熱がでます。それをタネの芽だしにつかうので電気熱ではない、発酵熱を使う農家は、あまりないでしょうね?
というか、苗は買うもので、自分で芽だしする農家も少なくなったようです

寒い雨の日に、格好の作業というわけで、苗床ハウスの中で、今年一年間で育苗に使う床土の仕上げをしました。去年のサツマイモ苗床に使った稲わら踏み込みの温床を、これまで4回切り返して、さらにそれに3年たって殆ど土に戻った野草堆肥と籾殻薫炭を加えた元土を昨年中に準備しています。仕上げはそれに発酵鶏糞堆肥や、自家製ぼかし肥料、かきがら石灰を混ぜながらスコップで2回切り返して、最後に跳ね上げて山にして終わり。

今年の作柄がいいことを祈りながらの作業です。というのも昨年秋冬作は、今までで一番厳しいといっていいほどのできでした。9月、10月の2ヶ月ほとんど雨らしい雨が降らず、照り続けた影響は大きく、一月半たってようやく芽が出た青物やホウレンソウはまだおおきくなっていませんし、種類も少ないです。苗で植えた白菜、キャベツ、ブロッコリーなども、大幅に成長が遅れたり、まきが緩くていつもの年の出来にはほど遠い有様です。ブロッコリーなどは霜よけをしてなんとか春先まで大きくなるのを待っています。

近所に漬物用白菜農家があって、広く白菜を作付けています。人手を使って精力的に灌水して、乾燥期を乗り越え、立派な白菜に育っていました。「すごいなあ、今年は不作を見越して一段と気合いをいれてがんばっているな、さすがだな」と思っていました。そしたら、収穫期になって、3反くらいの白菜をすき込んでしまわれました。九州は天候不順でもよそは豊作で値段がさがったということかな?などど思って聞いてみたら。何と全体は初期灌水を頑張っておおきくなったが、日照りと乾燥の度合いがひどすぎて、芯に焼けが出てしまったので苦情が出るだろうから、すき込んでしまったとのこと。慰めの言葉も出ませんでした。

 

 それでも、新しい季節が巡ってくれば、百姓は次の年の準備に取りかかります。今年はいい作柄になることを、繰り返し期待しながら。