今年もまた、熊大医学部の学生が百草園にやってきました。
環境保健医学分野を学ぶ医学生で、食と農を基礎とした健康な地域作りをテーマとした研修のプログラムです。
引率された上田先生は、農村医学会の会長をつとめられた方です。
外科学会や内科学会とかは聞いたことがあっても、農村医学会という領域があるって事を知っている人は少ないのかもしれないですね。
この学会で言われる「健康な食は健康な農村から産まれる」という言葉が私は大好きです。
農村の健康ことを学問としてとらえてくれるお医者さん達がいるなんで、すごいと思いませんか?
30数年前、熊本では、医学生が農村には入り健康調査をやっています。
農夫症やひどい貧血など、調査から明らかになった農村のひどい健康状態が基本となって、医者、農業者、消費者などの多彩な人々が参加し「熊本県有機農業研究会」が創設されました。「健康な食は健康な農村から産まれる」
という、言葉が社会運動として動き始めたのです。
そのような歴史に支えられた研究室なのですが、百草園では、毎年、医学生が鶏を解体して焼き肉にし、私達は小麦粉を使って郷土料理「だご汁」をつくり、一緒に食事をしながら交流、意見交換をしています。