農業人口の減少についてつい先日新聞報道がありました。5年ごとに行われている農業の国勢調査と言われている農業センサス調査2015年版(私も今回は村の自治会役員で調査を担当しました)の結果です。農業従事者は5年前から51万人減って現在、209万人になったそうです。つまり約260万のうち51万が減って210万人以下になったと言うことになります。例えば1000万人のうち50万が減ったと言うレベルの話ではないのです。
このまま歯止めがかからないとすれば、どんなことになるか。想像力を働かせれば「マジ、これはヤバイんじゃ!」と誰でも思うのではないでしょうか。「GDPの3パーセントしか生み出さない農業なんか無くったっていい。食糧は工業で稼いだ金で輸入できる」と言った。経団連幹部もいました。
TPPで自由競争原理一辺倒の世界に農業も巻き込まれていった時、どうなるのか。これもあわせて考えなければなりません。自由競争原理というとあたかも普遍的価値のように聞こえますが、結局のところ価格競争に勝つところが全てを制すと言うことに他なりません。葉物などの野菜類はともかく、穀物類、同じく大量の穀物使用を基礎とする畜産物などは太刀打ちできずに衰退する羽目になりそうです。そうなると、日本の農業の全体的なバランスも狂ってくることになります。いったいどんな結末になるのか、誰も想像できないといのが正直なところです。
そんな中、東京の新農業人フェアに行ってきました。農業に就職や新規就農で参入しようとする人向けの、大面接会です。熊有研でやっている「有機農業者養成塾」の来年4月スタートする人の募集のために、ブースを出して一日面接してきました。全体では千人以上の来場者がありましたが、この人達全部が農業従事者になってもまだまだ足りないペースだなと思いながら座っていました。